日常会話をしていて、”けん”という方言を聞いたりします。
人吉球磨弁には、”けん”というものがあります。
これは、人吉球磨独自の方言ではありませんが、人吉球磨でも使うので、人吉球磨弁としてご紹介します。
今回は、人吉球磨弁”けん”について意味や使い方を見ていきます。
“けん”の意味
“けん”の意味は、「だから」という意味になります。
基本的に、語尾に”けん”をつけて使用します。
“けん”は、単体で使われることはありません。
よく使われる形
“けん”を使われる形としては、次のようなものがあります。
では、一つずつみていきます。
だけん/やけん
“だけん”も”やけん”も同じ意味で、「だから」という意味になります。
“だけん”と”やけん”は、「だから」や「やから」が訛った形なのかなと思っています。
使い方は、文章の頭につけたり、最後につけたり、文の接続に使ったり様々です。
例えば、文と文の間で”けん”を使うと、こうなります。
- 今日は雨やけん、いかん。
意味:今日は雨だから、行かない。
次は、文の最後に”けん”を使ってみます。
- 今日はいかんどこっかな。雨やけん。
意味:今日は行かないでおこうかな。雨だから。

詩のような、俳句のような…。
先ほどの例では、文末や文と文の間で使う例をご紹介しましたが、文の頭で使うこともできます。
例えば、こんな感じで使います。
- だーけーん、そうじゃなくて〜。
意味:だーかーらー、そうじゃなくて〜。
例文のように、伸ばして言うと、ちょっと怒ってる感じに聞こえることがあります。
伸ばさなければ、怒っているようにはなりにくいです。。
だけんたい/やけんたい
“だけんたい”も”やけんたい”はどちらも同じ意味で、「だからさ」という意味になります。
文の頭に使うことが多いです。
例えば、こんな感じで使います。
“だけんたい”を単体で使うこともありますが、「だからだよ」という意味で、ちょっと怒って聞こえたりします。
だけんゆうたたい
“だけんゆうたたい”の意味は、「だからいったじゃん」という意味になります。
“だけんゆうたたい”は、これで完成形で、変形したりはせず、単体で使われます。
例えば、こんな感じで使います。
しとくけんね/しとっくけんね
“しとくけんね”や”しとっくけんね”は、「しておくからね」が訛ったものです。
意味はどちらも「しておくからね」という意味になります。
“しとくけんね”や”しとっくけんね”は、色んな言葉にくっつけることによって変わっていきます。
例えば、こんな感じで使います。
疑問の形
“けん”を疑問の形で使う場合は、”だけん?”や”やけん?”となります。
意味は、「だから(何)?」みたいな意味になってしまうので、若干怒ってるように聞こえてしまいます。
敬語の形
“けん”は、敬語では使うことができます。
“けん”に「ですね」を付けて”けんですね“の形で、敬語の形にすることができます。
「だからですね」という意味です。
まとめ
この記事では、”けん”の意味や使い方についてご紹介しました。
“けん”は、人吉球磨地方以外の熊本県内でも使うことができるので、使い方をマスターすると色んな所で使えて便利です。
“けん”が使われるマンガ描いてます。気になった方は、下のリンクからぜひ。