突然ですが、次の文章の意味、分かりますか。
おっとっととっとってっていっとったっていっとっと
これは、熊本弁で作られた早口言葉です。
正直、何を言ってるか分からないですよね。
熊本県民でも、「もう一回言って!」となりそうです。
でも、この記事を読み終わるころには、この早口言葉の意味が分かるようになっています。
ぜひ最後までご覧ください。
早口言葉を区切ってみる
では早速、早口言葉のナゾを紐解いていきます。
おっとっととっとってっていっとったっていっとっと
まずこの文章、点(、)もなく文章が続いていくので、読みづらいですね。
分かりやすく単語ごとに区切ってみます。
おっとっと/とっとって/って/いっとった/って/いっとっと
それぞれの意味を解説してきますね。
※「おっとっと」は、お菓子の商品名です。
“とっとって”は、熊本の方言になります。
熊本県内には、”とっとって”という方言があります。
この記事で徹底解説していきます。
それ以外の言葉は、このような意味になります。
- “いっとった”の意味:言っていた
- “いっとっと”の意味:言ってるの
これを踏まえて、改めて文章を訳してみます。
おっとっとを”とっとって”って言ってたって言ってるの!
“とっとって”以外の意味は、だいたいお分かりいただけましたか?
では、本題の”とっとって”の意味に入っていきます。
“とっとって”の意味
先ほどの早口言葉で、分からなかったキーワード”とっとって”ついて、ご紹介していきます。
“とっとって”の意味:とっておいて
“とっとって”は、「とっておいて」という意味です。
「〜に備えて」や「予備として」とっておいてというニュアンスです。
それを踏まえて、早口言葉を全て訳してみると、こうなります。
おっとっとをとっておいてって言ってたって言ってるの!
つまり、{「お菓子をとっておいて」とあなたに言ってた}と言ってるの!
という意味になります。
お菓子をとっておくように言っていたのに、とっておかなかったのでしょうね。
これで、記事の最初でお話した早口言葉のナゾは、解くことができました。
が、まだまだ記事は続きます。
せっかくなので、最後まで見ていってください。
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とっておくね
早口言葉では、「とっておいて」と相手にお願いする言い方でした。
お願いされる前に、「とっておくね」と言うこともできますね。
そんなときは、次の2つが使えます。
- とっとくばい
- とっとくけん
どちらも「とっておくよ」と言う意味です。
これからすることに対して使う言葉で、まだとっておいてない状態です。
例えば、席が自由に選べる場所で、友達が「時間ギリギリに着きそう」と言ってきたら、”席とっとくばい”と言えます。
意味は、「席とっておくよ」です。
例文に使われた”ばい”の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
とってるよ
“とっとって”と言われたときに、「とってるよ」とドヤ顔で言えれば、何も言われなくなりますね。
そんなときには、次の2つが使えます。
- とっとっばい
- とっとっけん
どちらも「とってるよ」という意味です。
先ほどの”とっとくばい”と”とっとくけん”に音はかなり似ていますが、意味は異なります。
“とっとくばい”では、まだとっておいてなかったのに対して、”とっとっばい”では、もう既にとっていることになります。
とっとるばい
“とっとっばい”のことを、”とっとるばい”と言うことができます。
同じように”とっとっけん”も、”とっとるけん”ということもできます。
小さな「つ」か「る」かの違いですね。
例文に使われた”けん”の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
とっておきな
それ、大事なものだから、とっておきなさい
そう言いたいときが、あるかもしれません。
そんなときには、次の2つが使えます。
- とっとくたい
- とっときない
どちらも「とっておきな」という意味ですが、若干ニュアンスが違います。
“とっとくたい”は、「いらないかもしれないけど、一応取っておいたら?」みたいなニュアンスになります。
“とっときない”は、「大事なものだから、とっておいたほうがいいよ」というニュアンスです。
使い方が決まっているというよりも、そのようなニュアンスで使うことが多いというイメージです。
例文に使われた”たい”の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
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とっておく?
これ、とっておくか迷うな…
そういうとき、ありますよね。
そんなとっておくか迷ったときには、次の2つが使えます。
- とっとっと?
- とっとくと?
それぞれ意味が異なるので、一つ一つご紹介していきますね。
とっとっと?
“とっとっと?”は、「とっているの?」という意味です。
「今とっている状態なのか?」ということを聞いています。
例えば、食事をしているときに、好きなものを最後にとっておいたとします。
その時に、”それ、とっとっと?”と聞くことができます。
意味は、「それ、とっているの?」です。

ちなみに、”とっとった?”で、過去形になります。「とっておいた?」の意味です。
とっとくと?
“とっとくと?”は、「とっておくの?」という意味です。
「これからとっておくのか?」ということを聞いています。
例えば、大掃除をしていて、いるものといらないものを仕分けしていたとします。
自分以外のものの「いるいらない」を判断するのは、難しいですよね。
そんなときに、”こら、とっとくと?”と聞くことができます。
意味は、「これは、とっておくの?」です。
例文に使われた”こら”の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
とってるの
今までの例文では、お願いしたり、聞いたりといった、相手に投げかけるような言葉をご紹介してきました。
たまには、「これは私のものだ!」のように、主張したいことがあるかもしれません。
そんなときに、”とっとっと”が使えます。
意味は、「とっておいてるんだ」です。
例えば、食事中に好きなものを最後にとっておいたのに、隣の人が「食べないならもらおう」といって、手を伸ばしてきた状況を考えてみます。
そういう時に、”好きやけん、とっとっとー!”と言って、手を払いのけることができます。

一瞬も油断できない…
まとめ
この記事では、”とっとっと”の意味や使い方についてご紹介しました。
色んな意味や使い方があって、ボリュームのある記事になりました。
全てを理解してもらう必要はなくて、「ふーん、こういうのあるんだ」くらいに思ってるもらえれば、と思います。
熊本県内であればどこでも使うことができる方言なので、ぜひ気軽に使ってみてください。
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