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“せん”の意味解説【人吉球磨方言解説】

さ行の人吉球磨弁

こんにちはかんりにんです。

人吉球磨の人が“せん”や”せんで”って言ってたけど、どういう意味なんだろう。そんな疑問を持ったことはありませんか。

この記事では、以下のようなことが分かります。

  • “せん/せんで”の意味
  • “せん/せんで”の使い方(具体例)
  • 相手がどれくらいしないでほしいと思っているか

では、早速見てみましょう。

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“せん”とは

“せん”の意味や使い方をご紹介します。

“せん”の意味は?

“せん”の意味は基本的に「しない」という意味になります。

自分がしない時は”せん“、相手にしないで欲しい時は”せんで“を使います。

せん“にもいろいろな言い回しがあり、”せんで“にも言い方により意味が変化していきます。いろいろご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

具体的にどう使う?

では、”せん“の意味が分かったところで、具体例を見てみましょう。
 
  1. おらせんばい。訳:私はしないよ。
  2. おらせんでぇ。訳:私はしないねー。
  3. せんでよか?訳:しないでもいい?
  4. もー、せんで訳:もー、しないで
1~3までは、自分がしない意味の”せん“、4は相手にしないで欲しい意味の”せんで“の具体例になります。
 
では、順番に見ていきましょう。
 
おら“って何?と思われた方へ
おら“については、別記事で解説しています。
 

1. おらせんばい。について

おらせんばい。」は「私はしないよ。」という意味になります。

こちらは、”せん“に”ばい“をつけた標準的な(?)形になっていて、初めての方でも使いやすい言い方です。

この例文では”ばい“をつけた形にしていますが、「おらせん。」のように“ばい”をつけない形でも使うことができます。

2. おらせんでぇ。について

おらせんでぇ。」は「私はしないよ。」という意味になります。

せんで“なのに自分がしない意味?さっき”せんで“は相手にしないで欲しい意味っていったやん!と思われたかもしれません。

人吉球磨では語尾に”でぇ“をつけて「〇〇するねー」みたいな意味を表します。人吉球磨弁”けん”と同じような使い方になります。
 

相手にしないで欲しい意味”せんで“とは別物です。

3. せんでよか?について

せんでよか?」は「しないでもいい?」という意味になります。
 
2. おらせんでぇ。と同様に”せんで“なのに自分がしない意味になります。
 
「せんでよか?」の構成を見てみると、
せんで(も)よか
という構成になっています。なので、「せんでよか?の「」は「でも」の一部ということになります。
 
それに対して、相手にしないで欲しい意味”せんで“はそれで1つの単語になります。

4. もー、せんで。について

もー、せんで。」は「もー、しないで。」という意味になります。
 
基本的に、”せんで“単独で使うことが多いです。
せんで“の段階は、軽い意味の「しないで欲しい」になります。しないで欲しい度合いが上がるとまた違った言い方をしていきます。次から見てみましょう。

“せんで”のランクアップ

ここでは、”せんで”のランクアップした言い方をご紹介します。

“せんで”をほっとくと、こうなります。

せんで“は軽い意味の「しないで欲しい」になります。しないで欲しい度合いが高くなると、このような感じで変化していきます。
 
(軽い) せんで < せんでて < だけん、せんでて! (重い)
意味:しないで < しないでって < だから、しないでっていってるじゃん!
 
せんで“や”せんで“てくらいまでだと軽い注意の範囲ですが、”だけん、せんでて“までいってしまうと、完全にご立腹です。
 
せんで“の段階でやめておくことをおすすめします。
 

“せん”の応用編

今まで話してきた”せん“は、「しない」の意味であって、もちろん標準語「走らない」など、「〇〇しない」という形で使われることもよくあります。
 
具体例を挙げるとこんな感じ。
 
走らん、寝らん、歩かん、見らん、聞かん、飲まん、言わん、出らん、食べん、比べん….など。
 
具体例を見てもらうとわかるように標準語訳の「ない」を「」にすると、人吉球磨弁に変身します。
 
例えば、標準語「走らない」なら「ない」の部分に「」をつけると、”走らん“が完成します。
標準語「走らない」→「」= 人吉球磨弁”走らん
具体例な使い方としては、次のような感じです。
  1. おら走らんばい。訳:私は走らない。
  2. こら食べん訳:これは食べない。
前半の例文で1. おらせんばい。をご紹介しましたが、使い方はそれと同じような形になります。もちろん、2. こら食べん。のように“ばい”をつけない形でも使うことができます。
 
こら“って何?と思われた方へ
こら“については、別記事で解説しています。
 

まとめ

この記事のまとめです。

“せん”の特徴を挙げると以下のようになります。

  • 基本的に「しない」の意味
  • 自分がしない時は”せん“、相手にしないで欲しい時は”せんで“を使う。
  • しないでほしい度合いが強くなると”せんで”とは違う言い方をする
  • 「○○しない」意味で使うこともできる

人吉球磨弁で話してみたいと思われた方は、ぜひ色んなところで使ってみてください。

※人吉球磨は令和2年7月に豪雨災害に見舞われました。 人吉球磨を少しでも元気にしたいという思いを込めて記事を作成しています。

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