こんにちはかんりにんです。
人吉球磨の人が”おい”って言ってたけど、どういう意味なんだろう。そんな疑問を持ったことはありませんか。
この記事はこんな人におすすめです。
- “おい”の意味が知りたい
- “おい”の使い方を知りたい
- “おい”の活用形を知りたい
では、早速見てみましょう。
“おい”とは
“おい”の意味や使い方をご紹介します。
“おい”の意味は?
“おい”って文字だけ見ると、「おーい!!」と呼びかけるときの「おい」かなと思われるかもしれませんが、人吉球磨弁では全く違う意味なんです。
“おい”は「私」という意味になります。自分のことを指していいます。
“おい”は「私」という一人に対する言い方ですが、複数人に対する言い方もあります。詳細は後ほどご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
具体的にどう使う?
具体例でみてみましょう。
おいがしょうか?
訳:私がしようか?
おいばわっかとおもて、ゆうてくんもん。
訳:私を若いと思って、言ってくるんだ。
おいの財布知らん?
訳:私の財布(どこにあるか)知らない?
おいもスマホのほしゅうなった。
訳:私もスマホが欲しくなった。
こんな感じです。
通常は例文のように文の中で使われることが多いですが、”おいも”に関しては、
おいもっ!!
訳:私もっ!!
のように単独で使うこともできます。
これが”おい”の基本的な使い方になります。
これをちょっと応用(?)したものがあります。次で見ていきましょう。
“おい”応用編
ここまで見てきた例文では、「おいが○○」など“おい”+「が」or「ば」等の例を見てきましたが、「私は○○」など“おい”+「は」となるとまた別の言い方をします。それが、こちらです。
「は」を足しただけで、大変身です。
では、具体例で見てみましょう。
おら、こいばしとくで。
訳:わたしは、これをしておくね。
おらよか。
訳:わたしはいいよ(いらない)。
“おい”も使用頻度は高いですが、”おら”も同じように頻度が高いです。
活用形は?
“おい”は、単独で使うことはあまりありません。”おいが”のように「おい」+「何か」という形で使われることが多いです。
今まで例として挙がったもの一旦整理してみましょう。
こうしてみると、これまでいろいろな種類の”おい”が登場しました。これら以外にも、”おい”の活用形があります。それがこちらです。
“おいがと”,”おいんと”には「私のもの」という意味があります。
“おいがと“,”おいんと“は「と」の部分に「もの」という意味が含まれています。
一方で、前半でご紹介した”おいの”は「私の」という意味で似ているように思われますが、「もの」の部分が含まれていないので、「おいの財布」のように物の名前とセットで使う必要があります。
なので、「おいがとは?」「おいんとは?」と言えても、「おいのは?」とは言えないのでご注意を。
ほかに似た意味の言葉は?
“おい”の意味は「私」だとお伝えしましたが、それに似た意味として「私たち」を表す人吉球磨弁があります。これです。
「おいどん」と聞くと、「えっ、それ鹿児島弁じゃない?」と思われると思います。実際、西郷どんが言ってるイメージですよね。
そうなんです。人吉球磨って隣が鹿児島県なんですよ。(宮崎県もですが…。)なので、鹿児島の影響をもろに受けてます。
他の記事の中でも、鹿児島の風が吹くかもしれません。
さて、”おいどん”の中身に入っていきます。
繰り返しになりますが、”おいどん”の意味は「私たち」になります。
“おいどん”も”おら”同様、”おいどん”+「は」でまた別の言い方をします。それがこちら。
“おいどん”は知ってても、いきなり”おいどま”くると戸惑いますよね、、、。
“おいどん”についてよく使う例文を挙げるならこんな感じです。
おいどんばかいこぎゃんあっとたい。
訳:私たちばっかりこうあるんだ。
おいどんぎゃーにけー。
訳:わたしんちに来てー。
“おいどん”+「家」で”おいどんぎゃー”という言い方をします。意味は「私たちの家(わたしんち)」です。
「私」があれば「あなた」もある?
この記事では「私」についてご紹介してきましたが、もちろん「あなた」という意味の人吉球磨弁もあります。
基本的には「あんた」と言いますが、「おい」と対になるという意味ではこんな感じになります。
また別記事にてご紹介します。
まとめ
この記事のまとめです。
「おい」の特徴を挙げると以下のようになります。
- 意味は「私」
- いろいろ活用形がある
- 「私たち」のように複数形なら”おいどん”を使う
人吉球磨弁で話してみたいと思われた方は、ぜひ色んなところで使ってみてください。
※人吉球磨は令和2年7月に豪雨災害に見舞われました。
人吉球磨を少しでも元気にしたいという思いを込めて記事を作成しています。