人吉球磨の人が”こい”や”あい”などと言っているのを聞いたことは、ありませんか。
「恋」のこと?「愛」のこと?など、ワクワクしたかもしれません。
そんな”こい”や”あい”、その他にも”そい”や”どい”について、深掘りです。
“こい/そい/あい/どい”の意味
“こい/そい/あい/どい”は、それぞれ「これ/それ/あれ/どれ」という意味になります。
「こそあど言葉」なんて言われるものです。
これ、よく使うんです。
今まで書いた記事にも、よく出てきてますよ。
“こい/そい/あい/どい”が例に出てくる記事を挙げるときりがないくらいです。
その中から、一つだけ過去記事紹介します。
本記事以外の例文など見たい方は、ぜひ他の記事もご覧ください。
“こい/そい/あい/どい”の使い方
“こい/そい/あい/どい”それぞれの意味が分かったところで、使い方について見ていきます。
- やっぱ、こいがよかったい。訳:やっぱり、これがいいのよ。
- ちょっとそいば取って。訳:ちょっとそれを取って。
- あいばみてん。訳:あれを見て。
- どいかにゃ?訳:どれかな?
標準語で「これ」「あれ」「それ」「どれ」と言っていたものを”こい”、”あい”、”そい”、”どい”に変えるだけで大丈夫です。
これを一文字変化させると、またちょっと違った意味になります。
さて、どうなるのか、これからご紹介していきます。
“こい/そい/あい/どい”の変身
ここまでのお話で、”こい/そい/あい/どい”は、それぞれ「これ/それ/あれ/どれ」という意味になることをご紹介しました。
これを、一文字変化させると、またちょっと違う意味になります。
一文字変化させたもの。それは、”こら/そら/あら/どら”です。
「い」が「ら」に変化しました。
これで、意味がどうなるかというと次のようになります。
- こら / 意味:これは
- そら / 意味:それは
- あら / 意味:あれは
- どら / 意味:どれどれ
一文字「ら」に変えただけで、もともとの意味に「〜は」という意味が追加されました。
大変身ですね。
ここで何かにお気づきでしょうか。

なんか、”どら”だけ意味が他のと違う…
そうです。”どら“だけ他とは違う「どれどれ」みたいな意味になります。
ちょっと違和感ありますが、とりあえず例文を見てみましょう。
- こらよかばい。訳:これはいいね。
- そらいかん。訳:それはいけないね。
- あらなんかにゃ?訳:あれは何かな?
- どらみしてんの?訳:どれどれ、見せて。

「これは」の意味が”こら”にギュッと詰まっているので、文字数が減って、スッキリ見えますね。
まとめ
この記事では、”こい/そい/あい/どい”の意味や使い方についてご紹介しました。
この方言自体は、目立たないですが、自然と会話の中に入ってくる表現です。
これらをサラッと使いこなせれば、ベテラン人吉球磨人に思われますよ。