あなたは、『しとる』と『しよる』という方言を聞いたことはありますか。
これは、九州にある熊本県内で使われる方言です。
どちらも「している」という意味として使われています。
が、この2つに使い方の違いはあるのでしょうか。
そのナゾをこの記事では、解明していきます。
『しとる』と『しよる』の意味
『しとる』と『しよる』の違いについてご紹介する前に、改めて、意味をおさらいしていきます。
『しとる』と『しよる』は、どちらも
している、やっている、行っている
という意味になります。
どちらも同じ意味だということが、ポイントです。
では、意味が分かったところで、いよいよ本題に入っていきます。
『しとる』と『しよる』の違い
正直に言います。
『しとる』と『しよる』の違いを一言で言うのは、難しいです。
感覚で使い分けているものを言葉で説明するのは、難しいんです。
なので、考えました。
具体的な例を何個か挙げていって、そこから共通点を見つけていこうと思います。
『しとる』と『しよる』は、「開ける」などの動詞※に置き換えて使うことができます。
その特徴を活かして、色んな動詞※で置き換えみます。
と、言われてもピンとこないかもしれませんが、とりあえず具体例を見てみましょう。
※動詞とは:開ける、捨てるなど動きを表す言葉のこと。(個人的な見解です。認識のズレがあるかもしれません。)
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人吉球磨弁4(挨拶編)熊本県

開ける
ここからは、具体的に色んな言葉で置き換えてみます。
『しとる』と『しよる』を「開ける」に置き換えてみます。
置き換えたものがコレです。
- 開けとる
- 開けよる
それぞれの意味を考えてみます。
開けとる
『開けとる』は、「(既に)開けている」という意味になります。
開けた状態が続いている感じを表しています。
例えば、部屋を換気しているときに、『今窓開けとっけん』ということができます。
意味は、「今窓開けてるからね」です。
例文に使われた『けん』の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
開けよる
『開けよる』は、「開けている(途中)」という意味です。
窓をガラガラと開けているイメージです。
例えば、これから部屋を換気しようと窓を開けている時に、『換気のために、窓あけよっけん』ということができます。
意味は、「換気のために、窓を開けてる(最中だ)からね」です。
落ちる
他の例も見てみましょう。
『しとる』と『しよる』を「落ちる」に置き換えてみます。
置き換えたものがコレです。
- 落ちとる
- 落ちよる
それぞれの意味を見ていきます。
落ちとる
『落ちとる』は、「(既に)落ちている」という意味です。
落ちた状態が続いていることを表しています。
例えば、財布が落ちてるのを発見したら『財布が落ちとる』ということができます。
意味は、「財布が落ちている」です。
落ちよる
『落ちよる』は、「落ちている(途中)」という意味です。
落ちている一部始終が見えたら、『落ちよる』が使えます。
例えば、ご飯を食べているときに、ポロポロ落としながら食べている人を見て、声をかけるなら『おちよっばい』です。
「落ちているよ」という意味です。
例文に使われた『ばい』の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
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聞く
次に、『しとる』と『しよる』を「聞く」に置き換えてみます。
置き換えたのがコレです。
- 聞いとる
- 聞きよる
一つ一つ見ていきます。
聞いとる
『聞いとる』は、「聞いている」という意味です。
(今)聞いている
例えば、相手の話を聞いていて、「ねぇ、私の話聞いてる?」と聞かれたとします。
そのときに、『うん、聞いとるよ』と答えることができます。
意味は、「うん、(今)聞いているよ」です。
こんな使い方も
先ほどの例では、「自分が聞いている」という意味でしたが、「他の人から聞いている」という意味でも使えます。
例えば、「Aさんは大変な状況にあっている」ことをBさんから聞いたとき、Aさんにこう言えます。
『Bさんから聞いとるよ、大変なんだってね。』
意味は、「Bさんから聞いているよ、大変なんだってね。」です。
聞きよる
『聞きよる』は、「聞いている(途中)」という意味です。
音楽などを今聞いているというイメージです。
例えばこんな場面を想像してみます。
相手の話を真剣に聞いているときに、「ねぇ、聞いてる?」と聞かれたとします。
真剣に聞いてるのに言われたら、「聞いてるじゃん。」と内心思いますよね。
そんなときに、『ちゃんと聞いとったい。』ということができます。
意味は、「ちゃんと聞いてるじゃん。」です。
例文に使われた『たい』の解説記事、書いてます。気になった方は、下のリンクからどうぞ。
歩く
いよいよ最後の例です。
『しとる』と『しよる』を「歩く」に置き換えてみます。
- 歩いとる
- 歩きよる
どちらも「歩いている」という意味です。
使い分けを考えてみましたが、思いつきませんでした。
「今歩いている最中だよ」という時にも、「最近運動不足で歩いてるんだよね」という時でも使えます。
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分かったこと
これまで挙げてきた例から、分かったことを書いていきます。
意味が異なる
まず、『しとる』と『しよる』で、大きく意味が異なるものがありました。
それは、「開ける」と「捨てる」です。
その2つの共通点は、動作の初めと終わりが違う状態になっているということ。
例えば窓を開ける時、開け初めは窓が少し開いた状態ですが、開け終わったら窓は全開です。
最初と状況が変わっていますね。
また、ものを捨てるとき、捨て初めは空中にものがありますが、捨て終わったら地面に着いた状態になります。
これも、最初と状況が変わっています。
意味が変わらない
反対に、『しとる』か『しよる』で意味があまり変わらないものがありました。
それは、「歩く」と「聞く」です。
その2つの共通点は、動作の初めと終わりが同じ状態になっているということ。
「開ける」や「捨てる」には、完了したときに最初の状態と異なっていました。
でも、「歩く」や「聞く」は、状態の変化がありません。
例えば、歩き初めた人と歩き終わる直前の人を写真に撮ったとき、どちらも同じようなポーズの写真になりますね。
「状況の変化がない」というのは、最初と最後で状況が変わらないものという意味です。
私が思う「違い」はコレ
ここまで、具体例や分かってきたことを書いてきました。
その結果、私が思う『しとる』と『しよる』の違いはコレです。
- 『しとる』は、「〜した状態が続いている」と言いたいときに使う。
- 『しよる』は、「〜している最中」と言いたいときに使う。
ただし、『しとる』でも、「歩く」などの最初と最後で同じ状態のものは、「〜している最中」という意味になることもある。

このただし書きも大事。
まとめ
この記事では、『しとる』と『しよる』の違いについて、私なりのまとめをしてみました。
もしかしたら、「そうじゃないよ!」と思われるかもしれません。
あくまで、一例として受け取ってもらえればと思います。
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